政治哲学

オルテガ・イ・ガセット『大衆の反逆』感想

大衆の反逆 (ちくま学芸文庫) 作者: オルテガ・イガセット,Ortega y Gasset,神吉敬三 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 1995/06/01 メディア: 文庫 購入: 7人 クリック: 49回 この商品を含むブログ (45件) を見る 全体として 題名や印象に反して、ある種の…

ポリティカル・コレクトネスを強要してはいけない~PCの意義と問題点~

ポリティカル・コレクトネス。政治的正しさ。PC。 その言葉を私が最初に目にしたのはアナと雪の女王だったかと思う。 ありがちな少女と王子様の恋愛から脱却して、ディズニーは新しい境地を描いた。それからというものの、政治的正しさの言葉が作品批評にく…

「正しさ」はどうやって納得させる?~同性婚の事例を手掛かりに~

政治的記事。長め。同性婚に賛成する人に特に読んでほしい。 同性婚は概ね「正しい」事例である。私は様々な反対意見を聞いてきたが、再反論に耐えるものはなかった。*1 同性婚反対派の主張は社会の安寧だの少子化だの述べているが、結局のところ彼らが反対…

なぜ「本当に優秀なら女性なら会社はひきとめるよ」は間違っているのか。

先日、友人二人と飲みに行った際、男女平等の話になった。そこで育休と産休の話になった際、友人の一人からこんな言葉が飛び出した。 「本当に優秀な女性なら、会社の方から引き止めるから、現状の制度でも問題ないよ」 そくざに私ともう一人の友人は否定し…

現代における「知」の渇望:サンデルブームとは何だったのか~善も正義もあるんだよ~

アニメの話ではありません。あと、長いです。 4~5年前であったであろうか、「ハーバード白熱教室」という名目でNHKがハーバード大学のマイケル・サンデルの授業を放送して以降、彼の著書「これからの正義の話をしよう」が大ブームになり、日本各地で白熱…